※脚本形式
○10:00 誠マンション・リビング
寝室からあくびをしながら現れるナマエ。
テレビの電源を入れ、ソファに座り込む。
徐々に寝そべる体勢になっていく所でスマホのアラームが鳴り、それを止めると立ち上がってキッチンに消えていく。
しばらくしてキッチンからお湯が沸く音がする。
○10:30 誠マンション・リビング
コーヒーとマフィンを持って再びソファに座るナマエ。
テレビを眺めながら時間をかけてマフィンをかじる。
○11:00 誠マンション・リビング
寝室からあくびをしながら現れる誠。
ナマエに寄りかかるようにソファに座る。
誠を受け止めつつ自分も寄りかかるナマエ。
ナマエ「おはよう」
誠「(眠そうに)おはよう」
ナマエ「ランチどうする?」
誠「(ぼーっとしながら)いらない」
ナマエ「じゃあマフィンは?」
誠「(ぼーっとしながら)食べる」
立ち上がり使用済みの皿を持ってキッチンに消えていくナマエ。
寄りかかる対象がなくなり、そのままソファに転がる誠。目を閉じて動かない。
しばらくしてキッチンからお湯が沸く音がする。
○11:30 誠マンション・リビング
コーヒーとマフィンを持ったナマエがキッチンから戻る。
テーブルに皿とマグカップを置き、ソファの前に座って誠を揺さぶる。
起きない誠。
ナマエ「誠さん」
誠「(目を閉じたまま)うーん」
いたずらに微笑んだナマエが誠の唇にキス。
ナマエ「起きて」
誠「……よし」
ゆっくりと身体を起こした誠は、コーヒーに手を伸ばす。
空いたスペースにナマエが座る。
ナマエはリモコンを手に取り、テレビのチャンネルをザッピング。
誠はそれを眺めながらコーヒーとマフィンを交互に口にする。
○11:45 誠マンション・リビング
マフィンを食べ終わる誠。
立ち上がり寝室へ向かうナマエ。
空いた皿を持った誠はキッチンへ。
キッチンから誠が皿を洗う水音がする。
○12:00 誠マンション・リビング
ノートパソコンを持ったナマエがソファに深く腰掛ける。
やや遅れて自分のデスクに座る誠。
二人でパソコンに向かう。
○12:10 誠マンション・リビング
難しい顔をしてモニターを見つめるナマエ。
無表情のまま微動だにしない誠。
○13:30 誠マンション・リビング
代わり映えしない風景にマウスの操作音がまばらに響く。
ソファに寝転がるようにして腹にノートパソコンを乗せ、モニターを見つめるナマエ。
無表情のまま椅子の背もたれに寄りかかる誠。
○14:00 誠マンション・リビング
あくびをするナマエ。
しばらくしてつられてあくびをする誠。
ナマエ「(顔だけ誠に向けて)コーヒー飲む?」
誠「(天井を見つめながら)ああ、飲む」
ナマエ「いれてくる」
誠「頼む」
ノートパソコンをソファに起き、キッチンに消えるナマエ。
その後姿をジッと視線で見送ると少しタイピングする誠。
カチャカチャとまばらなキータイプの音。
○14:05 誠マンション・キッチン
目の下をマッサージしながらキッチンに入るナマエ。
フィルター等一式をセットしつつお湯を沸かす。
誠に背を向け冷蔵庫から挽いてあるコーヒー豆が入った瓶・梅干しのパック・麦茶ポットを順番に取り出す。
コーヒー豆を適量セットし、水切りカゴに伏せてあるマグカップを2つ、グラスを1つ並べる。グラスにはすぐに麦茶を注いで、梅干しのパックから1粒出して頬張り、麦茶ポットと梅干しは冷蔵庫へ。
○14:15 誠マンション・リビング
パソコンに向かってタイピングする誠。
素早いキータイプの音が続き、しばらくして落ち着いた頃にキッチンからお湯が沸く音。
スリッパが床に擦れる音、食器の音、等生活音が少々。
誠「(キッチンに視線をやり、思わず出てしまったという微笑み)……ふ」
再びパソコンに向かってタイピングを始める誠。
○14:20 誠マンション・リビング
手にマグカップを2つ、口に個包装のクッキーの袋を2つ咥えたナマエが戻る。
マグカップを1つ誠の手元に置き、もう1つのマグカップをデスクに置きながら誠の隣の椅子をひいて座るり、クッキーの個包装もデスクに置く。
ナマエ「食べる?」
誠「うん」
ナマエ「(満足そうに)そうだと思った」
個包装を破って取り出した中身がナマエの手から誠の手へ。自分の分も開封してかじる。
ナマエ「京介くんのお土産」
誠「うまい」
ナマエ「コーヒーに合う」
二人ともかすかに微笑みながら、やや嬉しそうに休憩を楽しむ。
雑談も交えつつコーヒータイム。
ナマエ「(デスクの片隅にあった何かを発見し)あ、これ買ったの?」
誠のキーボードの向こうまで身を乗り出してそれを取るナマエ。
開封すると携帯用リバーシが現れる。
誠「新幹線の中で子供がそれをやるシーンを入れたい」
ナマエ「わざわざ買わなくても」
誠「懐かしい気がしてつい」
綺麗に広げて一人でプレイするナマエ。
それを眺めながらコーヒーをすする誠。
○15:30 誠マンション・リビング
盤面に向かって考え込む誠とナマエ。
ナマエ「ここに置いたら白が勝つ?」
誠「うん、多分な」
ナマエ「ここに置いたら黒?」
誠「……やってみるか」
コマを手に取り盤面に『白』を置く誠。
挟まれた『黒』を『白』にひっくり返すナマエ。
ナマエ「(難しそうな表情で)黒優勢?」
誠「優勢だが、ここで黒をこっちに置くとまた拮抗するな」
コマを手に取り盤面に『黒』を置き、挟まれた『白』を『黒』に返す誠。
ナマエ「(納得したように)あ~~~」
○16:30 街角
迷いなく歩く足元。
パティスリーの前で足が止まり、中に入っていく。
○16:40 誠マンション・リビング
日が翳りやや薄暗くなった室内。
リバーシごとソファに移動した誠とナマエ。
肩を並べてテーブルに置かれた盤面に向かい、考え込む。
ナマエ「(盤面のマスに指を置き)ここに置いたら角取れる?」
誠「それは無理だ」
ナマエ「(別のマスを指し)じゃあこっち」
誠「(微かに微笑み)取れる」
コマを手に取り『白』を置き、挟まれた『黒』を『白』に返すナマエ。
○17:00 誠マンション・廊下
足元から背中が映る、キャップを被ってマスクをした背の高い男性。
誠の部屋の前まで来ると、インターフォンを押す。
○17:03 誠マンション・リビング
インターフォンの音で手を止めるナマエ。
視線で時計を追う誠。
ナマエ「京介くんかな?」
誠「(少し考えてから深刻な顔をして)……見てきてくれるか。波原だったら追い返してくれ」
ナマエ「(ニヤニヤしつつ)波原さんかわいそー」
だらしなく座っていた所から立ち上がり、玄関に消えるナマエ。
眉間を抑えながらため息をつく誠。
○17:05 誠マンション・リビング
扉が開き京介、ナマエの順で部屋に入る。
京介「(誠を見て嬉しそうに)兄貴~、お疲れ様」
ナマエ「(箱を掲げながら嬉しそうに)ケーキもらっちゃった! 紅茶淹れるね!」
誠「二人ともありがとう」
京介「いえいえ」
ケーキの箱を持ったままキッチンに消えていくナマエ。
誠の隣に座りリバーシを発見する京介。
京介「(考えを巡らせ、にこりと微笑む)……原稿進んだ?」
誠「(京介から視線を逸らすように眉間に手を当て)頭痛が酷くてな」
京介「(呆れた態度で)兄貴さあ」
キッチンからカチャカチャと食器を出す音。
押し黙る誠を無言で見つめる京介。
キッチンからはお湯が沸く音。
○17:30 誠マンション・リビング
キッチンから鼻歌が聞こえる。
ナマエ「(嬉しそうに)おまたせ~!」
ケーキ3個と紅茶3杯を乗せたトレイを持ったナマエが登場。
顔を上げる京介。
ナマエを見て毒気を抜かれたように一息つく。
テーブルにトレイを置き、誠の隣に座るナマエ。
ナマエ「(きょとんとして)あれ、誠さんどうしたの、モンブランだよモンブラン、食べようよ~」
誠の太ももに両手を乗せて揺するナマエ。
京介からの視線を避けるようにちらっとナマエを伺う誠。
誠「うん」
返事を聞いてなお嬉しそうに、ケーキと紅茶を配るナマエ。
手伝う京介。
配膳が終わると3人並んで手を合わせ。
3人「いただきます」
フォークを手に取りそれぞれに頬張る。
○18:10 誠マンション・リビング
空になったケーキ皿とティーカップが3つずつ。
ソファにもたれる誠。
両膝に両肘をついてスマホを触る京介。
誠越しにその画面を覗くナマエ。
京介「耳までチーズってどう?」
ナマエ「私は今めっちゃお腹すいてるからいける、チーズ大好き」
京介「(誠に視線を向けて)兄貴は?」
誠「(目を閉じたまま頷き)大丈夫だ」
京介「じゃあこれにしよ」
ナマエ「やったー!」
はしゃぐ二人に視線だけ向けて微笑む誠。
○19:15 誠マンション・リビング
ソファの上に誠と京介が離れて座っている。
大袈裟に廊下からの扉が開き、ナマエが登場。
ナマエ「じゃーん!」
Lサイズの宅配ピザをテーブルに乗せるナマエ。
京介「食べよ食べよ!」
ナマエ「お皿取ってくるね」
誠「ありがとう」
キッチンに消えていくナマエ。
ピザの箱を開封する京介。
少し考え事をしてキッチンに消えていく誠。
○19:20 誠マンション・キッチン
皿を用意するナマエ。
遅れて誠が登場。
食器棚からグラスを3つ取り出す誠。
ナマエ「あー、ありがとう」
誠「麦茶でいいか」
ナマエ「(大声で)京介くん、麦茶でいーい?」
京介「(リビングから大声で)いーよー!」
ナマエ「じゃあ麦茶で」
返事を聞いて冷蔵庫から麦茶ポットを取り出す誠。
誠の背中を小突くナマエ、振り向く誠。
誠の腕を引っ張るナマエに従ってしゃがむ誠の唇にキスするナマエ。
にっこりと笑い、重ねた皿3枚とフォーク3本を握りしめてキッチンから出ていくナマエ。
無表情でキスを受け止めた後、ナマエの背中を見て微笑む誠。
○21:00 誠マンション・リビング
ピザの空き箱を片付けながら談笑する京介と皿を回収するナマエの声に混じり、グラスを片付けながら発言する誠。
一通り片付ける。
片付け終わると誠、ナマエ、京介の順番でソファへ。
京介「(笑顔)ねえ、ところで二人とも、今日の原稿は?」
ナマエ「(笑顔)え?」
誠「(無表情)……」
京介「さっきリバーシ見つけたからさ、何してたのかなって思って」
ナマエ「原稿したよ?」
京介「どのくらい?」
ナマエ「3行?」
○21:30 誠マンション・玄関
靴を履く京介。
上がり框から京介を見送る誠とナマエ。
京介「(盛大に呆れながら)全然やってないんだもん、二人共さあ。全然やってないから今日は帰るけど!」
ナマエ「(申し訳なさそうに)すみません」
京介「兄貴もせっかくナマエちゃんのおかげで逃亡癖なくなったんだから、ちゃんと書けばいいのに」
誠「(至って真面目に)こういうものはタイミングがあるんだ」
靴を履き終えた京介。二人には背を向けたまま。
京介「(寂しそうに呟く)二人共ちゃんとやってくれるなら、俺も一緒に気兼ねなく遊べるのにさ……」
キュンとする誠とナマエ。お互いに顔を見合わせて微笑む。
振り向く京介。
京介「(不満げに)じゃーね。原稿頑張ってね。担当さんに迷惑かけちゃ駄目だよ」
ナマエ「(眉尻を下げつつ微笑み)頑張るよ、また一緒に遊ぼうね、いつでも遊びに来てね」
京介「(不満げなまま沈黙し、吹き出すように笑う)……もう。ずるいなー、ナマエちゃんはさー、敵わないよ」
誠「俺も頑張る」
京介「うん、頑張って。それじゃ、お疲れ様!」
ナマエ「気をつけてね」
誠「またな」
京介「はーい、バイバイ」
誠とナマエに手を振る京介。京介に手を振る誠とナマエ。
京介が出ていき、玄関扉が閉まる。
ナマエ「(扉を見つめたまま)……頑張ろっか」
誠「(同じく)……そうだな」
誠の方を向いてギューっと抱きつくナマエ。
そのままリビングの方に押しやるように歩いていく。
まんざらでもなく嬉しそうな誠。
おわり