「まじ?」
「なんか文句あるの」
ベッドの上でガン飛ばすナマエは、なんか捨て犬的な野生味があった。唸り声でもあげそうな表情で、訴える内容とあまりにもちぐはぐすぎる。
しかし制服を脱がしかけた所でそんな告白をされても困ってしまった。
えー……
処女ってどうすればいいんだっけ。
あまりにも久々というか処女なんか過去1回しかやったことないし、全然わかんないし。痛いとか言うんかな。ゆっくり挿れたりしなきゃなんだっけ?
……正直、ちょっとめんどくさいな。つーかめんどくさいから処女避けてきたんだし。
そんなオレの心を読んだかのように、ナマエは舌打ちをして自分で制服を脱ぎだした。
「……」
「好きなようにしなさいよ」
まるでこれから犯されるみたいな口ぶりで睨みつけて来るナマエを見ると、レイプ魔にでもなった気分だ。
合意の上でここにいるはずなんだけど。そんな風に言われて、いっちょ無理矢理犯しますか、ってなれるくらいならわざわざ彼女になんかしない。
参ったな……
「いや、だってさ、」
「なによ」
「オレでいいわけ」
「イヤなら付き合わない」
だってアンタ顔に下心って書いてあるし。
と、照れてるんだか怒ってるんだかよくわからない顔でナマエは吐き捨てた。野犬みたいなナマエを見て、全身が粟立つ。
ぶっちゃけ最初は顔で選んだって言ったら怒るから言わない。
しつこくしてるうちにずっと近くに置いときたくなったっていうのは、もうちょっと経ったら言っても良い。
ナマエでオナニーしたら超気持ちよくて、でも賢者タイムの罪悪感も異常で、なんとかしたくてもっとしつこくするようになって、どう見ても渋々、取り敢えず付き合っときゃ黙るだろ的に、オレと付き合ってくれて、これでようやく正攻法でセックスできると思ったのに。
……途中から好きとかそんなんじゃなくてマジただやりたくなってた所もあるっちゃある。
まあとにかく、ようやくようやく、お待ちかねの時間だと思ったらまさかの処女でした。
そーいうキャラだってだけだと思ってたのに。なんだかんだ言ってもベッドの中では可愛く鳴くんだろ?と思っていたのに。
まあそれはオレのオナニーネタなんだけど。
とにかく、全然、気づかなかった。
気づくほど余裕がなかった自分に今更気づいた。
今までのナマエとの時間が走馬灯のように甦る。
「なんで」
「ハァ!? 今更なに言ってんの!?」
「いや、だって、オレだよ?」
自分で言うのもなんだけど、どー見ても誠実ではない髪、服、口調、私生活。
さすがにそれくらいの自覚はあるわけで。
そんなオレに処女膜を破らせるなんて。
「なんか問題あるわけ」
「……」
「はぁー」
ナマエは酷く深いため息をつくと、不意打ちでオレの頬を包み込んだ。
驚いて若干腰が引けてしまった。
ダッサ。
そして初めてナマエからキスをされて、しまい、ドクドクとちんこに血が集まるのがわかった。
童貞か。
「和也、」
「ナマエ……」
「和也、すき」
ナマエは慣れないセリフに顔を真っ赤にして、オレに抱きついてきた。
ちょ、おま、
「無理」
「えっ」
「無理、優しくする自信が無い」
「優しく……?」
「悪いけど処女苦手、ゆっくりとか無理、」
「……」
「めちゃくちゃにしたい」
完全に目がすわっていたと思う。
怖がらせたら悪いけど、でも誘ったナマエも悪いと思う。
組み敷いたナマエの唇を食い散らかすように貪って、ホックを外すのすら面倒でブラの隙間から手を突っ込んだ。
多分、男に触られるのなんて初めてだろう。
できるだけ怖がらせないようにとは思うけど、どうも上手くできる自信もなく、1周して普段のオレで良くね?とすら思えてくる。
熱く火照った胸の先を摘むと、聞いたこともない甘い声が耳をかすめた。
「なあ、全部オレが初めてだったの」
「そ、だよ」
「キスも?」
「うん」
知らないうちにファーストキス奪ってたとか。
笑えるけど笑えねー。それくらいならもう少し大事にできた、絶対。
やり直しすんのも無粋だから、今日くらいはやっぱり丁寧にしておこうと思った。
乱暴に突っ込んでいた手を抜いて、ちゃんとブラのホックを外す。ちょっと名残惜しいけど、キスをやめて唇を下降させた。
耳の裏あたりに触れるとびくんと震えたのは忘れない。
「綺麗じゃん」
「やめてよ、そんなの」
「本当だって」
「あ、ちょ、ううあ」
ここまで結構余裕の表情を浮かべていたナマエだったけど、オレが乳首を口にした途端、それは焦りに変わった。
オレの背中に回す手に力が加わる。
口の中で主張を始める突起をしつこく舐めまわした。
噛み付いて上顎と舌先でしごいたら両足をすり合わせ出して、笑いそうになった。
「ナマエやばいって」
「え、何、おかしい?」
ナマエは何よりそれが不安なんだろう。
普通、セックスで女はどんな反応をするのか。
自分はほかの女と比べて異常なのか。
初めて、とはそういうことだ。
それなら、オレが好きなようにすればいいじゃん。
淫乱にしちゃえばいいじゃん。
妄想の時のナマエみたいに。
オレ様天才かよ。
「ちょっと足の間にオレ入れさせて」
「うん」
「ほら、もう濡れてんじゃん」
「ちょ、和也!」
焦りの気持ちを掻き立てると、すぐに言いなりになった。
シミがついたパンツに指を埋めても、それほど強い拒否反応はない。
指先に触れる硬い主張を引っ掻きつつ親指でグリグリと刺激すると、どんどんシミが広がるのを指の腹で感じた。
「はー、はー」
「見せて」
「う、」
オレの声が耳に届いているのかどうか、既に怪しい。
ナマエの返事を待たずにパンツを引きずり下ろす。糸を引いたのがいやらしすぎて目に毒だった。
そのままM字に開脚させてみても、ナマエは抵抗しなかった。
どんだけ信頼しちゃってんの。
「かわいい」
「ん、やだ」
ついばむようなキスを重ねながら、膣口に指を這わせる。ナマエは小さく震えながらも、その表情は明らかに感じているそれだった。
できるだけゆっくりできるように意識して指の挿入を進める。
「痛い?」
「全然へいき」
確かにまったく痛そうではなく、むしろ既にナカの快感に目覚めるかのような締め付けすらあった。
上壁を優しくこすると指の動きに合わせて吐息が漏れる。
「変なかんじ」
「これからオレで慣れてけばいいんじゃね」
「ん、」
「声出そうなら我慢しないで」
「わか、た」
マッサージするように擦ると、くちゅくちゅいやらしい水音が聞こえる。
参考比較対象が少なすぎてよくわかんないけど、処女とは思えないほどほぐれたそこに早く突っ込みたくてたまらない。
甘い吐息と、微かな悲鳴。
羞恥をまとう反応の全てが官能的だ。
ナマエの中を弄りながらパンツを脱ぎ捨てる。
ボクサーパンツの締め付けから解放された海綿体に、益々血液が集まるのを感じた。
「やべえ」
「んっ、うう」
刺激した時に緩く挟み込んでくる膝は、誘っているとしか思えなかった。
ナマエの了解も取らずにさっきまで指を突っ込んでいた所に亀頭を擦り付ける。ナマエとオレの汁でぬるぬるしたそこは、今にも飲み込みそうだ。
「入っちゃう」
「和也ぁ」
「ナマエ、非処女になっちゃう」
「んん…!」
ぬめりの勢いに任せてズブリと埋め込むと、拍子抜けするくらいすんなりとそこに収まった。とは言え、やっぱり締め付けがきつい。
力任せに握った時みたいな。まあ嫌いじゃない。でもできればもう少し慣れて、むにっとしてるやつがいい。
だからオレがそういうナマエにする。
それって最高。
「痛くないの?」
「結構平気みたい」
「これは?」
「っあ! ん、変な感じ」
「じゃあこれは?」
「んんっ、ん、痺れる」
汗ばんだ皮膚と皮膚が触れる。
とん、と奥を突くのより、ぐりぐり、と子宮口を撫でる方がいいらしい。なんかエロい趣味。
思ったより自由に動けそうで、ナマエを気遣うという決意が揺らぐ。ぐりぐり奥を刺激しているうちに、このままガンガン突きたい欲が湧き上がってきた。
「あっ、あん、っ、」
「なあ今より気持ちよかったら奥まで突いていい?」
「んっ、和也も、気持ちよくなって、っ」
「フフ、」
ナマエらしくない可愛らしいセリフに、思わず笑った。
けど、そんなふうに言ってくれるなら
「っあ、やあ、なに、」
奥をぐりぐりしながらクリトリスを愛でる。繋がった所からぬるぬるを拝借して撫でつけ、根本からしごきあげるように包み込んだ。
充血したクリトリスがぷるんと弾ける。
指先に感じるコリコリした触感が、ナマエに快感を与えている実感をもたらした。
「さっきより良くない?」
「ん、なんか、変、っ」
「変って何?」
「やだやだ、ちょっ、やめ」
ナマエは涙を浮かべながらうろたえている。
中がぎゅうぎゅう収縮して、絶頂の予感がした。
ただでさえきついのに、緩急をつけて締め付けられたオレ自身だって例外ではない。いつの間にか腰が律動を始めていて、それは徐々にナマエに打ち付けるように激しくなった。
ちょっとヤバイと思ったけど、ナマエは困ったように喘ぎ続けている。
「んっ、んっ、あ、和也!」
「なんだよ、ッ」
「もう限界!」
「フフッ、じゃあオレもイっちゃお」
「え、あっ……!」
うーん?
ナマエにとって“優しい”かどうかはかなり自信ないけど、オレなりにできるだけ優しく律動を続けた。
ナマエの喘ぎ声の裏で、かすかに規則的に肌と肌がぶつかる音が混じる。
亀頭が奥に当たると嬉しそうな悲鳴がして、律動を早めるごとにその間隔が短くなった。ああ、もういつでもイけるわ。もうちょっとこのままでいたい気持ちと、早く出して一緒にまどろみたい気持ちが交錯する。
いや、やっぱりもうダメ、かな……
きつい締め付けのおかげで限界を感じてからは早かった。ていうかオレがクリトリスから手離せばいいんだけど。
でもここを擦りつける度にアンアン言っちゃうナマエを見ながらオレもイきたい。
「あ、っ、っ、や、」
「嫌じゃないっしょ?」
「ん、やじゃ、ない……!」
「良いなら良いって言って」
「いい、和也っ、いいっ」
浅く深く、抽挿を繰り返す。弾けるような水音と肉の音に夢中になった。
さっきまで処女だったと思うと興奮する。世界中で初めてオレがナマエを汚した。
「ッ、イっていい?」
「ん、うん、あ」
「ナマエ、ッ、イく……」
「っは、あっ、あっ、和也、」
「イく、イく! ナマエ! ナマエ!」
射精の直前に引き抜いたその先端から、白濁した液体をナマエの腹めがけてぶっかける。
つもりが、勢いが良すぎて首の方まで飛んだ。
「あ、悪ィ」
「……」
はあはあと深く呼吸をしているナマエの腹から上に向かってティッシュで精液を拭う。精液と愛液と汗の混じったエロい匂いが充満している。
ティッシュが首筋に到達したものの、拭くことができなかった。何故ならナマエが指先でそれを弄んでいるから。
不思議そうに首筋のぬめりを確認したナマエは、おもむろにその指先を口に運んだ。
「バカ、やめろよ」
「げろまず」
「そういうもんだろ」
「和也のもまずいんだね」
……うん、オレ、ナマエを淫乱にしよう。
そう決意した瞬間だった。
処女めんどくせー。と思っていた1時間前が嘘のように、今は謎の野心がむずむずと燻りだしている。
「糖尿病だと甘いんだってよ」
「……へー」
「和也まずいから健康じゃん、よかっ、んっ!」
「ちょっと黙ってオレにかわいい顔見せてよ」
「なっ、」
まずはナマエを素直にさせる所から。
※一応書いておきますが、糖尿病だと精液甘い説はほぼ迷信です