久々の二人きりの時間を楽しむように、私とルフィはベッドの上で抱き合いながらごろごろと転がった。みんなと一緒の時と同じ顔で笑うルフィ。
私はすぐに人を疑ってしまうから、いつも同じルフィを見ると安心する。それと同時に、嫉妬もする。
自分の小ささとルフィの大きさを重ねて、悲しくなって、やっぱりまた好きになる。
なんせ2年ぶりにこんなに密着しているものだから、欲にまみれた俗世に生きる私は次から次へと湧いて出る欲求を抑えるのに必死だった。
正直、後悔していないと言ったら嘘になる。私があの時、少し無理矢理にルフィにセックスを教えなければ、ルフィはこうして私を腕に収める事なんてしなかったのではないか。
後悔しても遅いけれど、もし、あの時私が諦めていたら、ルフィはきっとここにはいなかったと思う。
「お前、今おれの事バカにしてんだろ」
「してないよ、ルフィ好きだよ」
「今バカにした顔してたぞ」
「そんな顔しないもん」
さっきまでキャッキャと笑いながらごろごろしていたのに、急に何か企むような表情をして、ルフィは私の上に乗った。私の両腕はルフィの両腕によって押さえられてしまい、身動きが取れない。
いたずらっこに微笑んだ唇が、私の唇を捉えた。目を見開く間も惜しくてすぐに瞼を閉じると、私の唇を割いてルフィの舌が侵入する。柔らかい舌が私の咥内を貪った。
ぴちゃぴちゃと響く水音に、耳も犯されているみたいだった。
離れていく唇と唇の間を唾液の細い糸が繋いでいて、ルフィはそれを確かめるように唇を舐めた。
「おれ、ナマエの事好きだって言ったろ」
「うん」
「ウソじゃねぇ」
唾液の糸に引き寄せられるように、ルフィはもう一度私にキスをした。
「かわいいって思ったのも、触りたいって思ったのも、ナマエだけだ。さっきサンジがナマエの手を握ってたの見て、おれ変な気持ちになった」
「ルフィ……」
ルフィは知らないかもしれないけど、多分、それ嫉妬って言うんだよ。
確かに私はルフィをバカにしていたかもしれない。ルフィはとても大きな愛を持っているけれど、きっと恋なんてわからないと思っていた。
だから私が特別になる事なんて、ずっと先の事だと思っていた。もしかしたら、そうならない事も考えていた。
だって、ルフィは私の恋人ではない。
何も知らない傍観者からすれば、私とルフィは体だけの関係だ。ルフィには彼女だとか彼氏だとか、そんな肩書に縛られた関係は似合わない。きっと私もそうなった所で何か腑に落ちないだろう。
ルフィは、悲しい顔で私の耳にキスをした。
「私はルフィとしか、キスしたりしないよ」
「そんな、ナマエが誰かとキスなんて、考えたくねぇ」
耳元で響く真剣なルフィの声色に、背筋がぞくぞくする。耳の軟骨を噛まれ、チクリとした痛みが走った。
痛みを緩和するように耳の上を滑る舌のせいで、正気を保つなんて不可能だ。ましてや、欲求を抑えこむ事など。
いつの間にか解放されていた両腕をルフィの背中に回すと、少しだけルフィの吐息が荒くなった気がした。
「おれ以外のやつと、こういう事もしないのか?」
ルフィの唇は徐々に下降して、私の首筋を噛んだ。
もぞもぞと動くルフィの手が、私のワンピースの裾をたくし上げて、あっという間に私の胸元に布の塊ができた。何度も私と寝たせいで、服を脱がすのも手慣れてしまった。
船の中にいる他のクルーに聞かれまいと喘ぎ声を抑えようとするせいで、息が上がる。ルフィの質問に答える事もできない。
ぷちん、と音がして、胸の締め付けが解放された。ブラが取り払われて、胸の肉が左右に流れる。ルフィは鎖骨に噛み付いて、ヂュッという音とともに鬱血を残した。
「なあ、答えてくれよ」
「っ……」
答えられるわけがない。
ルフィの指が私の胸に触れて、流れた肉を押し戻すように中央に寄せた。谷間に挟まって、額に汗をにじませた顔が色っぽい。
突然こんなことになって、男みたいな顔をするルフィに戸惑っていた。
なあ、なあ、と何度も問いながら、乳首に噛み付かれたり、ヌルリと舐められたりするたびに、私は声にならない声をあげる。
いくら船内に人が少ないとは言え、いくらナミとロビンが外出中だとは言え、いつ誰が現れるやも知れないこの場所で、私は理性というたがを外すわけにはいかないのだ。
「どうして答えねェんだ」
「んっ、う、意地わっ、ぁ」
ぐり、と、ルフィの親指がかたくなった乳首を押し込むと、本能に訴えるような刺激が走る。こんなことしておいて、まともに喋らせようだなんて、いつものルフィじゃない。
……いつものルフィって、何?
指圧をゆるめた指先が、くるくると乳首に円を描くと、そこを中心に上へ下へと快楽が広がっていくようだった。
「言えねぇのか?」
「ちがっ」
「おれと離れている間、誰かに触られたのか?」
胸の上を這う舌は徐々に下半身へと移り、感触を楽しむように唇で肉を挟む。挟まれた間ではチロチロと舌が覗いて、触れた所から麻痺していくみたいに熱くなった。
左手は相変わらず乳首を弄び、右手ではルフィに押し付けるように太ももを支えたかと思えば、そのままかぶりつかれて、めり込む歯先に私のストッパーはどんどん弛んでしまう。
「ぅう、っは、いたいよ」
「でも良いんじゃねぇのか?」
前にナマエがそうに言ったじゃねぇか、と言ってさっきまで太ももをかじっていた歯先がパンツ越しに陰核の上を何度もかすめた。
布一枚を隔ててその突起を捉えられずにもがくように、何度も何度も擦られた陰核がヒリヒリする。こんな布なんて、もう捨て去ってしまいたい。
「だって濡れてるぞ?」
パンツをずらしてルフィの指が秘部に触れた。クチュ、クチュ、と自分から漏れる音が羞恥心を煽る。
「こんなに、濡れてるのに」
器用に私のパンツを脱がすのは、私とルフィが何度も寝た証拠だ。2年前と変わらない手つき。
「良くないのか?」
「あっ、あっ」
ちゅ、と陰核を唇で包むと、その包囲の中で舌先が暴れた。
何度も陰核を弾かれると、どんどんかたくなっていくみたいだった。私が陰核を誇張させて、ルフィの唇に挿入しているみたいな錯覚。
そのすぐ下では細いのにごつごつとしたルフィの指先が入り口を撫でて、ルフィに犯されているみたい。ひだの形を確かめるように、私から溢れる愛液を塗りたくって、肉とも皮とも言えぬそこをこすった。
そんな所で留まらないで、もっと中にほしいのに。欲望に忠実になった陰核が震える。私は無意識に腰をつきだして、陰部をルフィの顔面に押し付けていた。
「いいんあろ?」
「んっ、あっ、気持ちい、い、もっと」
ぷちゅ、と、ルフィの唇にもっと深く埋めるように、打ち付けた腰がビリビリする。それでも膣に入る事のないルフィの指がもどかしい。熱で涙が滲んだ目でルフィを見つめた。
久しぶりのルフィの熱、瞳、髪、皮膚、骨、すべてが愛しくて、目の前にある熱にうつつを抜かして喘ぎながら愛液を垂らすことしかできない自分が馬鹿みたいで、可愛く思った。
「そうか、でも」
こんなのまだまだじゃねぇか?
満足そうに微笑んだルフィが膣の入り口に添えた指をゆっくりと中に埋めた。
2年間合わせる事のなかった体だというのに、あの時と変わらない、内部で上側に曲げられた指が私の好きな所をぐりぐりと刺激すると、今まで感じた事のない快感と感情が押し寄せた。
内部からの指の刺激と合わせるように、陰核に充てられた舌がうごめく。ルフィの指とルフィの顔に挟まれた陰部がじんわりと熱くなって、ぐちゅぐちゅ、ぢゅぷぢゅぷ、と、私が生み出すはしたない音が止まらない。
「あっ、あっ、だめ、だめ、なんか、変」
「んっんっ、もっと出せよ」
ルフィは私の愛液を全部絡めとるように舌で掬い、唇で吸い上げた。
どう考えても私のはしたない音の方がうるさいのに、ルフィの喉が鳴るのが聞こえて、急に恥ずかしくなってくる。
内部をかき回す指はどんどん強くなり、そのまま子宮ごと引っこ抜けてしまいそう。痛みなんか少しもなくて、熱を持った陰部からは快感しか届かなかった。
ぐちゅ、ぢゅ、ぐちゅ、ちゅ
熱い
熱い
ぢゅ、ぢゅっ、
ちゅぷ、ぴゅ、びゅっ
熱い
溶けていくような快感とともに、飛沫が散ってシーツとルフィを濡らしてしまった。羞恥に煽られて泣きそう。
潮を噴いた私を許すこと無く吐息を漏らしながら陰部を攻め立てた。
「あっあっ、ルフィ、だめ、変になっちゃうから、っうあ」
「ちょっと待って」
もう少しで意識が飛びかけた所で、ぐりっと一捻りしてからルフィの指が引きぬかれた。
失いそうな意識に少しばかり恐怖を覚えていたというのに、それを取り留めた途端に寂しくなる。
「ルフィ、ルフィ、行かないで」
「ああ、どこにも行かない」
ルフィは肩先の横のシーツに顔面を押し付けて私の愛液を拭うと、私の額に額をくっつけて、文字通り目と鼻の先で熱っぽく微笑んだ。そっと頭を撫でられてキスをされた。
ぐちゅ
「あっ」
突然陰部に触れた肉の感触に顔が歪む。
ルフィの顔しか目に入らないこの状況で、ルフィが何をしているのかわからなかった。ちゅぷちゅぷと音を立てながらルフィの陰茎が私の陰部をこする。
「なあ、どうしたい」
「えっ」
「おれはナマエに入れたい」
「んっ、あ」
ぐっと陰茎の先っぽが私を塞ぐ。
感じたいところまで届かないそれがもどかしくて腰をルフィに押し付けようとすると、逃げられて思うようにいかない。
「ナマエは?」
「ぅう、ん」
「どうしたい」
「っほしい、中にほしい! ルフィのがほしい、ルフィがほしい、なかに」
「じゃあそうしよう」
な、と言って額を離すと、もう一度頭を撫でられた。これから訪れるであろう快感を思うと、全身が性感帯になってしまう。ルフィが触れる部分すべてが快感に変わる。
ぐりゅぐりゅ
ぢゅっ、ず、ずっ
押し込められていくルフィの陰茎をかたどるようにぎゅうっと膣が収縮していく。同時に乳首を捏ねられて、嬌声が止まらない。いつ誰に見られてもおかしくないこの場所でセックスをしている事実が余計に私を煽った。
「あっああ、あ」
「ナマエ、ナマエ、」
「っ」
「すげえ気持ちいい」
「あっ、あっあっあっあっ」
ぢゅ、ぢゅ、ぢゅ、
ぱんぱんぱんぱん
私とルフィの体液の交じり合う音と、私とルフィの肉がぶつかり合う音が交互に響いた。そこに私の嬌声と、ルフィの吐息。
「ナマエも気持ちよくなれよ」
「ああああ」
強引にピストンを繰り返される入り口の少し上には、固く主張した陰核があった。
ルフィの指がそこに触れると、あっという間に私の理性は決壊していった。もとより、もうずっと前に決壊していたのかも知れない。
愛液を塗りたくられて、陰核を更に主張させるようにくるくるとそこを撫でられるとじんわりとにじむ快感。
ちょん、とノックされると針が刺すように鋭い快楽。ぐりぐりと捏ねられれば、私はもう昇天するほかなかった。
声にならない声が喉を通る。
「あああああああ、だめぇ、ああああ、っは、あっ」
「いいか? いいか?」
「ああああっあっふ、う、んんううう」
「なあ、教えてくれよ」
「やだ、やだやだ、きもちいいい、ルフィ、ルフィ」
「気持ち良いな、おれも、きもち、い」
はあはあと荒くなっていくルフィの吐息が絶頂を予期させた。陰核を責める指と、荒々しいピストンはより激しさを増していく。
「ああっ、ああっ、ナマエ、ナマエ!」
「ルフィ、ルフィがほしい、なかにほしい! なかに出して、お願い、ルフィがほしい!」
「ナマエ! っあ、ナマエ! 出る、っう」
「おねがい、ルフィ、だいすき…っ」
「ナマエ! ナマエ! あああっ」
びゅーっ、びゅっ、…びゅっ、びく、びく、
どくん、と大きく腰を打ち付けられた奥で、ルフィの陰茎が脈をならした。放たれた白濁液が内部で広がっていく感覚に幸福を覚えながら、おぼつかない両腕をルフィに伸ばした。
「ル、フィ」
「ナマエ、おれ、」
ルフィは私の腕を捉えて自らの背中に回すと、私の頭を抱えるように抱きしめてくれた。未だにどくどくと脈を打つ陰茎をなかで感じる。心臓の鼓動と同じ。
ああ、愛しい。
好き。ルフィ。
「ルフィ、愛してる、好きなの」
あまりの多幸感に涙があふれた。
このまま、死んでしまいたい。
「ナマエ、ナマエ」
「だいすき、ルフィ」
「ナマエ、おれの声きいて」
「聞きたくない」
これから嫌われてしまうくらいなら、もうこのまま。
「ナマエ、愛してる」
そんな事言われたら、死んでしまう。
「泣くなよー」
「だって」
ぺろ
私の涙を拭うように頬を舐めたルフィは、いつもの大きな笑顔で見下ろしていた。
「前からずっとそう言ってるじゃねぇか」
「言ってない!!」
「そうかー?」
「もう一回、言って」
「……今度な」
今まで照れるという感情なんてないのかと思っていたルフィが言葉を詰まらせた。またほんのりと硬度を取り戻したルフィの陰茎に気づいて、少しだけ膣を締める。
「っおい、ナマエ!」
「今度でいいから、じゃあ今はちょっとこのまま」
腕を引き寄せて、ルフィの頭を胸に抱いた。にじむ汗、さらさらの髪、熱い吐息、今だけは全部私のものだから。
ここを出たら、また、いつものみんなのかっこいいルフィを好きになるよ。